【埼玉県比企郡川島町の金属加工工場の塗り床を施工】
1.施工前の工場の状態
今回は、金属の加工工場の塗り床改修工事のお引き合いを頂きました。工場は貸工場で、以前も金属加工工場として使用されていたらしく、コンクリート表面には切削油とみられる油が浸みこんでいました。
切削油の浸みこんだ床は黒っぽく変色し、工場全体が暗い感じに見えました。また、機械を設置したときに打たれたアンカーの切断跡が出っ張っていました。
2.下地処理
下地処理は塗り床、特に改修工事の時には重要な工程です。油や薬品、その他が浸みこんだコンクリート床はホコリなども伴い汚れた状態になっています。そのまま塗り床材を施工しても、すぐに剥離してしまいます。
機械研削工法によって表面の汚れや浸みこんだ油脂を切削除去し、さらに油脂の影響を避ける油面用の特殊プライマーを使用します。油脂を除去知れない可能性もあるため、弊社では2重に対策をしています。
3.材質
厚膜エポキシ樹脂塗り床 厚さ2mmを使用しました。エポキシ樹脂は、コンクリート下地への密着性が良く、かつ、機械的特性が良く、耐摩耗性、耐衝撃性、耐荷重性などにすぐれるので、工場の塗り床仕上げ材としては定番の商品です。
ただし、塗り床材は缶に入った塗料ですので、専門の職人が適正に配合・撹拌して塗布することが必要です。適正に施工された塗り床材は本来の機能を発揮しますが、配合比がズレたり、撹拌不足であったり、塗り方の技量が低いと同じ商品でも出来不出来がはっきり出てしまう商品です。
具体的にいうと、硬化不良や早期の剥離、仕上がり不良が発生することがあります。塗り床を専門に扱う業者は非常に数が少なく、その意味では隙間産業といえます。
施工内容 | 金属加工工場の塗り床改修工事 |
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建築形態 | 工場 |
施工地域 | 埼玉県比企郡川島町 |
工期 | 2日間 |
施主 | 工場オーナー様 |
お問合せの種類 | 弊社WEBサイトより |
担当者 | 永井健司(ながいけんじ) |
担当者からのコメント | 最初は塗膜の薄い防塵塗装をご計画でしたが、厚膜タイプエポキシ樹脂塗り床 t=2mmの施工に変更し施工しました。結果はきれいになってご満足されたとおっしゃっておられました。私も結果が良かったのでうれしく思いました。 |
担当者写真 |
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施工前の診断
機械設置の跡がうかがえる。極太のアンカーが切断されているが、まじかで見るとコンクリート~飛び出ています。そのまま施工すると、塗り床が仕上がった時に盛り上がりを生じます。 |
側溝を埋めたのか、U字溝のようなコンクリート成形品が下向きに埋めてあります。 |
コンクリートに出来た凹部 |
切削油のコンクリートへの浸透がかなり進んでいるとみられる。立上りに切削油が吸い上げられて黒く変色している。 |
施工手順
手順①. 下地処理
手順②. コンクリート下地の研磨完了
【光コーティングの解説】研磨が完了しました。場所により切削油が大量にしみこんだ箇所があるため、すぐにプライマーを塗布しないと油が上にあがってきます。
手順③. 油面用特殊プライマーを塗布
【光コーティングの解説】油分を機械的に除去した後、さらに油で汚れたコンクリートに密着性の良い油面用特殊プライマーを塗布します。
手順④. 中塗り
【光コーティングの解説】エポキシ樹脂に硅砂を加えペースト状にしたものを塗布します。この工程により厚みを確保するとともに、コンクリートの凹部を充填してフラットにします。
手順⑤. 上塗り
【光コーティングの解説】中塗り硬化後、さらに凹部のパテでフラットにしたら、上塗りを丁寧にかけていきます。
手順⑥. 完了
【光コーティングの解説】上塗りが完了しました
手順⑦. お引渡し直後の写真
【光コーティングの解説】硬化養生後、机等を運び込んだ状況です。硬化養生とは歩行等をせず、硬化を進行させることです。
【光コーティングの解説】既設のコンクリートを機械研削工法で切削・研磨し、表面の油分を除去する。コンクリートが白くなるまで研削する。