|
【古い工場の床塗装をリニューアル】
埼玉県川口市内の工場の床リニューアルの工事を賜りました。
1.床塗装の目的は?
こちらのお客様は、古い工場を買い取って移って見えました。もともとコンクリートにはゴム状の弾性のある床塗装が施工されていましたが、あちこちで剥離しており、手で剥がしただけでどんどん剥がれていってしまう状態でした。機械設備を入れる前に工場として使う部分だけでも床塗装を一新したいとのご希望でした。
2.こちらの問題点
2-1.問題点①
現在施工してある、床塗装のコンクリートに対する接着力は極めて弱く、手で簡単に剥がれるほどです。従って既設の塗膜の上に施工するのは剥離の危険性が高くお勧めできません。
2-2.問題点②
一部床と立上り(壁の下の部分のこと)の隙間から雨水が侵入してくる。外壁側で処理するのが良いが、隣の建物との隙間が狭く、処理することが出来ない。内側から処理するしか方法がない。
3.どのように解決したか?
①接着力の低下した既設の床塗装塗膜は機械研削によって、すべて剥がし撤去し、強度があって健全なコンクリート表面が出るまで研削しました。この作業によって、新築の状態に近い密着力が得られるようになります。仕上げに目が行きがちですが、物事何でも見えない部分こそ大事なのです。後から問題が起こるとしたら、見えない部分から起こることが多いです。
②お客様の方で、床と立上りの隙間をシールして頂いていたので、床から立ち上がりにガラスクロスをエポキシ樹脂で貼り付け、補強しました。このガラスクロスを入れて樹脂で補強する工法はFRPと呼ばれるもので、防水や防食に使用されている工法です。ひび割れに強く、厚みの確保が容易になります。
4.床の仕上げ
エポキシ樹脂系の床塗装 厚さ2mmで仕上げました。エポキシ樹脂はコンクリート下地に対する接着性もよくかつ、機械的強度(耐荷重・耐摩耗・耐衝撃・耐酸耐アルカリ性・防塵性)に優れ、かつ手をかけてあげることにより美装性も発揮させることも可能です。また、改修性にも優れています。コンクリート床塗装をすべて剥がして一から施工しているため、コンクリートに強く密着しています。従って何年かのちにライン替えや通路を表示したり、ゾーニングで色替えするときにも剥がすことなく上塗りが可能です。床塗装の専門業者としましては、お客様に何を塗りましょうか?ではなく、使い勝手を把握し、そこから推測されることを盛り込んで製品や厚さその他を絞り込み、費用対効果をお客様に理解してもらってから施工するのを基本としています。これは、ゼネコンの下請けでは絶対できないことと考えております。床塗装の専門業者の使命は単に工事することではなく、お客様とともに考え付加価値をプラスすることであると考えております。
施工内容 | 工場のコンクリートに床塗装 |
---|---|
建築形態 | 工場 |
施工地域 | 埼玉県川口市 |
工期 | 3日間 |
施主 | 工場オーナー様 |
お問合せの種類 | 弊社WEBサイトより |
担当者 | 永井健司(ながいけんじ) |
担当者からのコメント | 古い工場を借りる、買い取る方へ、工場の使い勝手や用途に応じた床塗装の種類と工法があります。弊社はメーカーではありませんので、こちらが何を売りたいということではなく、何が長持ちするのか、なにが安価ですむのか。また、どのようにしたら、費用対効果が最大になるかなどご相談に乗ります。 |
担当者写真 |
|
施工前の診断
ゴム状弾性の床塗装が施工されている。工場に弾性系の床塗装は不向き。重量物の行き来や引きづりにより切れて剥離が進行する。 |
施工手順
手順①. 下地処理
手順②. 下地処理その2
【光コーティングの解説】狭くて機械が入らない部分は、ハンディタイプの下地処理機を使用して削ります。剥離は必ず端部から始まりますので中央より、端部が大事。
手順③. 下地処理完了
【光コーティングの解説】コンクリート床の塗装が剥離され、かつ研磨された状況
手順④. プライマー
【光コーティングの解説】プライマーを塗布し送風機をかけて換気しながら硬化を待ちます
手順⑤. 巾木のライニング
【光コーティングの解説】巾木と床のコーナー部分をカバーするようにして、ガラスクロスを貼り付けます。樹脂でガラスクロス補強することをFRPと呼びます。防水や防食の仕様として用いられています
手順⑥. 巾木の仕上げ
【光コーティングの解説】巾木に着色して仕上げています
手順⑦. クラック(ひび割れ処理)
【光コーティングの解説】コンクリートのクラックや段差を平滑化するためにエポキシ樹脂を充填しています
手順⑧. 中塗り
【光コーティングの解説】中塗りを塗布しました。厚さの確保と、凸凹をある程度フラットにすることが出来ます
手順⑨. 全体の不陸を調整
【光コーティングの解説】工程にはありませんが、結構凸凹が残りそうなので、さらに全体の不陸修正をしました
手順⑩. 上塗り
【光コーティングの解説】信頼のおける職人さんによる心を込めた上塗り施工中の画像です
手順⑪. 上塗り完了
【光コーティングの解説】上塗りが完了しました。改修工事前とは見違えてしまうほどです。オーナー様にも喜んでいただけました。
【光コーティングの解説】既設コンクリート床塗装を剥がし撤去