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【千葉県柏市の配管設備工場の床塗装改修】
プラント工事などで使用される配管の製作工場のオーナー様から工場の床塗装(塗床)工事をご発注頂きました。お客様はビール工場や製薬工場の配管を担っているそうです。
1.現場調査
現地調査を実施しました。現地はオーナー様(素人)がご自分で工場に床コンクリートを打設、床塗装が施されていました。
床塗装は摩耗したり、剥離が進みみすぼらしくなっていました。何よりコンクリート打設時のうねりのような段差が気になりました。
2.使い勝手
お客様の使い勝手を確認すると、溶接ボンベをゴロゴロ転がしたり、配管パイプを落としたり、扱うものが金属なので床塗装(塗床)にかかるストレスや衝撃も相当なものであることがわかりました。
また、溶接などの火花も床に落ちる可能性が確認されました。
3.将来予想される床の不具合
使い勝手を知ると将来発生するであろう不具合が予測できます。この現場の場合は以下のことが予想されます。
1.ボンベの転がしによる摩耗。キズ。
2.配管パイプ落下による床塗装(塗床)塗膜の損傷剥がれ。または、コンクリートの損傷。
3.溶接火花による焼け焦げ
1.と2.については、エポキシ樹脂やその他薄膜の防塵塗装などで仕様を組むと早期の剥離や摩耗、キズ、割れなどが起こる可能性があります。厚膜の材料で特に衝撃に強い物が推奨されます。
3.の溶接火花はかなりの高温になりますので、どのような床塗装材(塗床材)でも焦げない材料はありません。溶接エリアのみはステンレスの床を設置する、簡易的には、防炎シートで養生するなどして対応していただくのが良いと思います。
4.使用した材料
今回は耐衝撃、耐摩耗等耐久性に特に優れた、タフクリートFLを使用しました。この材料はエポキシ樹脂塗床材等と比べても抜群の耐久性があります。
施工内容 | 床塗装(塗床)改修工事 |
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建築形態 | 設備屋さんの工場 |
施工地域 | 千葉県柏市 |
工期 | 4日間 |
施主 | 設備工場オーナー様 |
お問合せの種類 | 弊社WEBサイトよりお問い合わせ |
担当者 | 永井健司(ながいけんじ) |
担当者からのコメント | 一概に工場といっても、使い方は様々です。分野別に様々な機能を持った床塗装材(塗床材)が用意されています。その床塗装材もさらに使い勝手や頻度、重い物を扱う扱わないなどを良く聞き取り調査して材質や仕様を決めます。ここが重要で、間違った選択をすると、施工した後に後悔することになります。弊社に来る相談は、施工してすぐに不具合を来たし、どうしたらよいか相談する相手が見つからずに困っている方が多いように思います。たとえ弊社にお仕事が頂けなかったとしても、お客様と共に考え親切丁寧にご説明するのがプロとしての使命と考えております。 |
担当者写真 |
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施工前の診断
コンクリートの押さえにムラがあり、うねるような段差が認められます。きちんとコンクリートを押さえていないので、表面の強度不足がある可能性もあります。 |
金属製の工具や機械がたくさん置いてあります。いずれも床にキズを付けたり、落下させたら床塗装はもちろんコンクリートまで達するキズが付く恐れもあります。かなりヘビーな使い方が予測される。 |
施工手順
手順①. 下地処理:表層斫り
手順②. 下地処理:コンクリートダイヤ研磨
【光コーティングの解説】コンクリート表層のうねり、段差、突起などを研磨して平らにします。
手順③. 材料の撹拌
【光コーティングの解説】タフクリートFL樹脂と骨材を混合しているところ。ラッパのようなものは集塵機に直結しています。
手順④. タフクリートFL下塗り
【光コーティングの解説】タフクリートFLをしごくように塗り付けます。かなり力のいる作業です。
手順⑤. 上塗り
【光コーティングの解説】タフクリートFLを均一に伸ばします。
手順⑥. スパイクローラー掛け
【光コーティングの解説】金鏝で伸ばした材料をスパイクローラーを転がして整えます。これで作業は完了です。
【光コーティングの解説】床塗装材を剥がすとともに、脆弱なコンクリート表面を撤去しているところです。