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【神奈川県横浜市の工場塗床を帯電防止塗床材に改修】
工場のエポキシ樹脂系塗床材を帯電防止塗床材に改修しました。
1.現状
既設の塗床材は、エポキシ樹脂系の厚膜型の塗床(床塗装)が施工されています。あちこち継ぎはぎだらけで、かつ剥離や欠損・クラックが認められます。
剥離個所からは、コンクリート下地が覗き、発塵の恐れがあります。
2.改修工事の目的
既設のエポキシ樹脂系塗床材は電気的には絶縁体です。絶縁体の上を人が歩くと靴と塗床の間で静電気が発生します。
人体に静電気が蓄積されると様々な不具合を来たします。例えば、爆発、火災、製品の不具合、精密機械の動作不良などがその例です。エポキシ樹脂塗床が既に施工されている場合でも、帯電防止塗料を塗布したり、帯電防止塗床を施工することが出来ます。
3.静電気を逃がす
静電防止靴を履いて、帯電防止塗床の上を歩くと帯電しません。わずかに帯電した静電気も、塗床を伝わってアースに抜けたり、空気中に放散されて減衰します。
帯電防止塗床(床塗装)は、クリンルーム、精密機械を扱う工場、包装室、手術室などいろんな分野で使われます。
帯電防止塗床には、耐衝撃性を備えたもの、耐薬品性が強い物、耐荷重性を高めたもの、既設の塗床の上に塗れる塗料タイプなど様々な種類があります。
いずれも静電気の発生を防止しつつ、さらに機能をプラスした高付加価値の塗床材と言えます。
まとめ
このような高機能を上手に使うにはカタログ的な知識ではなく、実績に裏付けられた経験と技術がモノを言います。帯電防止塗床に限らず、高機能なものの中には性能が極めて高くても美装性が犠牲になっているもの、ある薬品には強い耐薬品性をもつが他の薬品では穴が開いてしまうもの、変色しやすいものなどがあります。
カタログに書いていないこと、仕様書に書いていないことが実は大事であったりします。メーカーが売りたい塗床を施工するのではなく、真にお客様にマッチする塗床材を施工したいといつも考えています。
製品のメリットとデメリットをお客様に提示しますので、一緒に考え、選びましょう。一番大事なのは、満足して永くご使用になれるかどうかです。
施工内容 | エポキシ樹脂系塗床材から帯電防止塗床へ改修 |
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建築形態 | 工場 |
施工地域 | 神奈川県横浜市 |
工期 | 4日間 |
施主 | 工場 |
お問合せの種類 | 弊社WEBサイトよりお問い合わせ |
担当者 | 永井健司(ながいけんじ) |
担当者からのコメント | 今施工してある、エポキシ樹脂系塗床材などが健全な状態であれば、剥離することなく帯電防止塗床にすることも可能です。 帯電防止にすることで、バチット来ないことは言うまでもなく、製品にホコリが付きにくくなるとともに、爆発事故や製品の破損事故を防ぎます。 |
担当者写真 |
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施工前の診断
エポキシ樹脂塗床(床塗装)が大きく剥離している。下地処理方法に誤りがあるために、塗床がひび割れて剥離している。 |
機械を撤去した後のアンカー跡をモルタル補修してあります。周囲をよく見ると擦り傷がいっぱいあります。 |
施工手順
手順①. 下地処理
手順②. 下地処理
【光コーティングの解説】塗床がより密着が良くなるように研磨を掛けて、足つきを良くしていきます。
手順③. クラックの処理
【光コーティングの解説】コンクリートのクラック(ひび割れ)に沿ってカットして、エポキシ樹脂を充填します。これはクラックが口を開かないようにする補強です。
手順④. コーナーにRを取る
【光コーティングの解説】床と壁のコーナーにエポキシ樹脂モルタルでRを造ります。これは隅にホコリが溜まるのを防ぐために行います。
手順⑤. プライマー
【光コーティングの解説】プライマーを塗布しているところです。
手順⑥. 中塗り後にパテ
【光コーティングの解説】中塗りを流し、硬化後に段差にパテを打っているところです。
手順⑦. 上塗り
【光コーティングの解説】上塗り塗布しました。
手順⑧. 帯電防止塗料塗布
【光コーティングの解説】ケミコンダクトREの上塗り1回目を塗布しています。
手順⑨. 帯電防止塗料塗布
【光コーティングの解説】ケミコンダクトREの上塗り2回目と塗布しています。
手順⑩. 完成
【光コーティングの解説】帯電防止塗床が完成しました。
【光コーティングの解説】浮き部分は剥がし、その他エリアにはダイヤモンド研磨を掛けます。