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【神奈川県横浜市磯子区の飲食店(スタミナカレーの店バーグ様)厨房塗床(床塗装):耐熱ピュールM7工法】
1.厨房塗床施工前の状況
現場調査時には、ケミクリートEの防滑工法(エポキシ樹脂厚膜の滑り止め工法)が施工されていました。
膜厚が1mmの塗床材(床塗装材)で、かつてはよく厨房で塗られていた工法です。
現在では、新築の厨房にコストを抑えるために塗られているのは目にしますが、熱湯などをこぼしたり、少しラフに使用すると寿命が来るのが速い塗床材です。
2mmの厚さを超えるとそれなりの耐久性を発揮しますが、1mm厚程度だと滑り止め機能のみのものと考えたほうが良いでしょう。
2.スタミナカレーの店バーグ様の使い勝手
スタミナカレーの店バーグ様は横浜市磯子区の新杉田に本店をもつ創業44年のカレーの人気店です。
さすがに繁盛店だけあって、厨房の面積に比して大勢の皆さんがテキパキと働いておられました。
肉やハンバーグを焼いたり、揚げ物をしたり、カレーを煮込んだり。調理に熱が欠かせません。
床にかかるフライヤーからの輻射熱や、熱くなった金属容器などの熱が塗床材に直接作用するなどしてエポキシ樹脂の塗床材は通路を中心にして剥離していました。
エポキシ樹脂は50℃位で軟化しますので、軟化と硬化を繰り返すうちにコンクリートから塗膜がひび割れるようにして反りあがり剥離したものと推測されます。
3.耐久性があって滑らない塗床で施工
飲食店の厨房の塗床材の剥離原因は様々あります。コンクリート下地が未乾燥のまま塗床を施工して密着不良を起こす。コンクリートの研磨を怠って施工した。
熱水や輻射熱がかかる厨房に耐熱性のない塗床材を施工した。厨房に向かない塗床材を施工してしまった。
上記のような場合に塗床材は早期に剥離します。
今回の剥離は主に耐熱性のない塗床材を使用したことにあると判断しましたので、現在のところ最も耐熱性のある水性硬質ウレタンの耐熱ピュールM7工法を使用しました。耐熱水性120℃です。
このタイプは、丸亀製麺・日高屋・松屋・はなまるうどん・コンビニの弁当工場などで多数採用されています。
剥離のきっかけになる、熱衝撃(熱水と冷水が交互に流れること)にとても強くかつ頑丈な塗床材の「王様」です。
施工内容 | カレー店の厨房塗床(床塗装)改修工事 |
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建築形態 | 駅ビル内の店舗 |
施工地域 | 神奈川県横浜市磯子区新杉田 |
工期 | 1日 |
施主 | カレー店オーナー様 |
お問合せの種類 | 弊社WEBサイトより |
担当者 | 永井健司(ながいけんじ) |
担当者からのコメント | スタミナカレーのバーグ様のオーナー様よりブログの掲載が許されました。同じような厨房でコンクリート床の凸凹や塗床材の剥がれをなおしたいが、どこに頼めばよいか悩んでいるかたがおられましたら、お伺いして親切・真剣に、そして一緒に考えましょう。 |
担当者写真 |
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施工前の診断
動線に塗床材の剥離がみられます。長い年月の歩行で塗床材が摩耗してなくなっているのがわかります。 |
塗床が剥離した部分に、砂糖・塩・しょうゆ・その他調味料などなどがこぼれてコンクリートが侵食されてできた水たまり。だいぶえぐれています。 |
施工手順
手順①. 養生
手順②. 水気を除去
【光コーティングの解説】窪みに溜まった水を吸い取ります。
手順③. 塗床材の撤去
【光コーティングの解説】床用研削機で塗床材を撤去しているところです。
手順④. 狭いところの塗床材の撤去
【光コーティングの解説】狭いところの塗床材の撤去はハンディタイプの機械で行います。
手順⑤. 削りチェック
【光コーティングの解説】通路部分の塗床材の撤去が完了しました。
手順⑥. 塗床撤去直後のコンクリート下地
【光コーティングの解説】予想以上にコンクリートに凹がたくさんあります。
手順⑦. 凹部を埋める
【光コーティングの解説】速硬化下地材60で凹部を埋めてフラットにします。この材料は1時間くらいで硬化し、塗床の施工が可能になる優れものです。
手順⑧. 水性硬質ウレタン材料均し
【光コーティングの解説】耐熱ピュールの材料を均等にならしています。
手順⑨. 押さえ
【光コーティングの解説】均した耐熱ピュールの材料を金鏝で押さえているところです。
手順⑩. 完成
【光コーティングの解説】押さえが完了しました。耐熱120℃の塗床施工が完了しました。
【光コーティングの解説】基本的に塗床撤去に用いる機械は全て集塵機に直結されているのでホコリは出ませんが、ホコリ除けのビニール養生をしっかりとかけます。