【長野県茅野市のイトウパーツ工業株式会社様(自動車部品工場)床コンクリートに塗床(床塗装)工事をさせて頂きました。】
1.塗床(床塗装)施工前の下地状況
工場床には、長尺塩ビシートが貼られていました。長尺塩ビシートの下には、左官補修材といい、Pタイルや長尺シートを張るために穴を埋めたり、凸凹をフラットにする材料が施工されていました。
この左官補修材は、撤去せずに施工すると必ず剥離する困った材料です。コンクリートに密着する力が塗床より弱いためにコンクリートとの境から剥離してしまいます。
今回の現場は、左官補修材の下にさらに塗床材がありましたので、全撤去を行いコンクリートを露出させて施工します。
2.パーテーションを撤去してみると
パーテーションとは壁のことですが、撤去した部位のコンクリートは隣の部屋との段差が激しく、さらにモルタルで乱暴に埋めてありました。
モルタルを平たんに削っていくと、平たんになる前に鉄筋が出てきました。鉄筋は本当はコンクリートより下にあるはずなのにどうしたことでしょう。
3.長尺塩ビシートを剥がしたコンクリート床にあった目地材
室内のコンクリート床にシール材が施工してあり、それを撤去すると今度は、エキスパンタイ目地が施工されていました。
エキスパンタイ目地のイメージ写真
エキスパンタイ目地は外部の駐車場などに使用される目地ですが、なぜ室内にあるのでしょうか。とにかくこの目地の上は塗床(床塗装)の密着が良くないので全部撤去します。
予定にはない作業ですが、残すわけにはいきません。
4.塗床の仕上げ
ケミクリートE流しのべペースト工法を使用して塗床(床塗装)の仕上げを行いました。
通常より塗回数を増やすなどして、標準で2㎜厚のところを3mm位の厚さにしてしっかりと床の不陸(凸凹)を消しました。
参考動画です。
施工内容 | 自動車部品工場のコンクリート床に塗床(床塗装)工事 |
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建築形態 | 工場 |
施工地域 | 長野県茅野市 |
工期 | 4日間 |
施主 | 工場オーナー様 |
お問合せの種類 | リピート |
担当者 | 永井健司(ながいけんじ) |
担当者からのコメント | 工場には長尺塩ビシートが貼られていました。シートの下には下地調整材が塗られていたので全部剥がしとって施工しました。残して施工するのはNGです。 |
担当者写真 |
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施工前の診断
工場には長尺塩ビシートが貼られていました。シートを剥がすと、接着材が確認できます。その下は左官補修材が施工されています。さらに、その下に塗床材が施工されています。接着材・左官補修材・塗床の3層すべてを剥がさないと耐久性のある塗床工事は出来ません。 |
長尺塩ビシートを剥がすとシールが打ってありました。シールを剥がすとエキスパンタイ目地がありました。これは厄介です。全部撤去します。 |
パーテーション(壁)撤去跡のコンクリート床下地。凸凹がひどいです。乱暴に埋めてあります。隠れてしまうからなのでしょうか。 |
施工手順
手順①. 下地処理
手順②. 下地処理
【光コーティングの解説】色々な機械を試して、土の機械が剥がれるか確認します。
手順③. 下地処理
【光コーティングの解説】こんなに大きな機械もあります。
手順④. 下地処理
【光コーティングの解説】床の剥がしが完了し、今度は目地材の撤去をしているところです。
手順⑤. 段差を削る
【光コーティングの解説】壁撤去下の凸凹モルタルをダイヤ研削機でフラットにしています。フラットになる前に鉄筋が出てきたので、やむを得ず途中でやめて、塗床材でなだらかに調整することにしました。
手順⑥. プライマー塗布
【光コーティングの解説】コンクリート床に十分に浸み込ませるイメージで塗っているところ。樹木が根を張るようなイメージです。塗床は目に見える表面よりも、見えなくなる部分が大事なのです。
手順⑦. 目地の補強
【光コーティングの解説】目地をいきなり埋める業者が多いですが、耐久性を考えて、エポキシの材料をタップり流し込んでいるところです。材料は食いますが、これも大事な作業工程です。
手順⑧. 目地の平滑化
【光コーティングの解説】上で流したエポキシを押さえて平滑にします。
手順⑨. 中塗り
【光コーティングの解説】エポキシ樹脂をペースト状にして塗布します。
手順⑩. 目地の状態
【光コーティングの解説】中塗り硬化後の目地。目地に材料が吸い込まれて凹んでいます。もう一度パテで埋めます。
手順⑪. 壁の下段差修正
【光コーティングの解説】何回も手間をかけて、段差を消しているところです。材料の量を見てください。
手順⑫. 中塗り2回目
【光コーティングの解説】中塗り2回目を塗布しているところです。普通は中塗りは1回ですが、下地が凸凹だったので、2回目を塗布しています。
手順⑬. 段差の補修
【光コーティングの解説】上塗り前に、まだ残る段差や凹などをエポキシ樹脂でパテします。
手順⑭. 上塗り
【光コーティングの解説】上塗りが完了しました。
手順⑮. 上塗り
【光コーティングの解説】上塗りが完了したので、2~3日間養生を取り硬度が増して強靭になるのを待ってから使用します。
【光コーティングの解説】長尺塩ビシートの接着材・左官補修材・塗床材を専用の機械を使用して剥がし取ります。