【千葉県千葉市の水産冷凍倉庫|滑り止め床塗装(塗床)補修工事:ケミクリートMS】
1.水産冷凍倉庫の滑り止め床塗装(塗床)
こちらの水産冷凍倉庫の室内設定温度は、マイナス20℃。エポキシ樹脂床塗装(塗床)材などの、いわゆる普通の材料は、5℃程度の温度がないと硬化しません。
冷凍倉庫床に施工できる材料は、超低温(マイナス温度)下で硬化する材料を選定する必要があります。
2.床塗装(塗床)材料の選定
超低温下で硬化し、フォークリフトの走行による衝撃に耐え、かつ、食品関係は毎日出荷されることが多いので、速硬化性が求められます。
今回は、㈱エービーシー商会のケミクリートMSを使用しました。ケミクリートMSは、超低温時の硬化特性の良い材料のメチルメタアクリレートという材質を使用しており、マイナス30℃までの超低温下で硬化させることが可能です。
3.ケミクリートMSでの塗床補修
ケミクリートMSは硬化の速い材料で、常温に於いても緊急工事・補修工事などで使用され、大変重宝される材料です。
しかしながら、硬化速度がやたらに速いので、施工に知識と経験が必要です。
室温・床面温度等により、硬化剤の量を増減し、更に硬化促進剤も増減しながら添加し、材料を配合・撹拌したら直ちに施工しなければなりません。
配合時の材料の温度も硬化速度を左右するために、材料を予め施工場所の温度に近づけておくなどのシビアな配慮が必要です。
夏場の温まった材料を、超低温設定の配合で撹拌すると施工前に煙を吐いて固まってしまう程危険です。
冷凍庫に慣れたプロの職人はその暴れ馬にも似た材料を使用してシビアな超低温下でも迅速に床の剥離を補修することが出来ます。
知識・経験・技術の要る補修です。
参考動画を用意しました。ご覧ください。
【倉庫床クラック・目地段差補修編】
【賃貸倉庫床塗装現状復旧工事編】
施工内容 | 水産冷凍倉庫の滑り止め床塗装(塗床)補修工事 |
---|---|
建築形態 | 水産冷凍倉庫 |
施工地域 | 千葉県千葉市 |
工期 | 1日 |
施主 | 水産冷凍倉庫様 |
お問合せの種類 | 弊社WEBサイトより |
担当者 | 永井健司(ながいけんじ) |
担当者からのコメント | 冷凍倉庫は超低温下の為、床塗装(塗床)材も硬く脆くなります。従って、重量物(フォークリフト等)の走行や、荷物の上げ下げによる衝撃、そして一番厄介なのは、冷凍庫の内部と外部のドア付近の温度差によりコンクリートにクラック(ひび割れ)が生じて剥離することです。超低温でも速やかに硬化し、さらに低温下でも硬く脆くならない塗床材もありますので、ぜひご相談下さい。 |
担当者写真 |
|
施工前の診断
冷凍倉庫のよくある剥離のパターンです。剥離は入口周辺の中央部通路に発生します。低温である倉庫内部と出荷ベースとの温度差が生じる場所です。 |
施工手順
手順①. 養生
手順②. 床塗装(塗床)補修箇所の特定
【光コーティングの解説】床塗装(塗床)補修箇所の周囲を叩いて浮きの広がりをチェックし、剥がす範囲を特定します。
手順③. 下地処理
【光コーティングの解説】カッターで健全な床塗装(塗床)(密着している)と浮きのある部分の縁を切ります。剥離が健全部に広がらないようにします。そのあと塗床を剥がしていきます。ホコリが立たないように手作業で取りました。
手順④. 下地処理の確認
【光コーティングの解説】カッター入れ・床塗装(塗床)剥がし・研磨の確認
手順⑤. プライマー塗布
【光コーティングの解説】ケミクリートAmscプライマーを塗布しています。施工時の室温はマイナス20℃です。このような低温下でもすぐに硬化する優れものです。ただし、超低温下で速硬化させるため、豊富な経験がないと施工することは難しい作業となります。
手順⑥. MMAモルタル打設
【光コーティングの解説】ケミクリートMSのモルタルを打設しているところです。このモルタル層にはMMA樹脂が使用されていて低温下でも強靭な物性を示します。
手順⑦. MMAトップコート打設
【光コーティングの解説】MMAモルタルに散布した防滑骨材がしっかり固まったのを確認して上塗りを塗布しているところです。上塗りは滑り止めの砂が取れ内容に固着する役割と、すり減りに強い床塗装(塗床)を実現する工程です。
【光コーティングの解説】施工エリア外と仕切りを作るために、ビニールを天井から垂らします。これを養生といいます。機械にホコリが付着したりするのを防止する工程です。