【倉庫や工場床に塗床を塗るメリットについて考える】
1.倉庫や工場でよく見かける塗床
倉庫や工場のコンクリート床にグリーンやグレーで塗床(防塵塗装)が塗ってあるのをご覧になったかたはいらっしゃいますか。
零細工場の場合は、何も施工されていなくてコンクリート素地のままの工場もあることはありますが、ほとんどの工場は塗床が施工されています。
倉庫にはグレーが多く、工場はグリーンが多く見られます。
下記の画像は工場にエポキシ樹脂系塗床を施工しているところです。
2.倉庫や工場の基礎となるコンクリートのこと
倉庫や工場の基礎となるコンクリートのことを少し考えてみましょう。
塗床を施工することを考慮して特長を上げてみます。
①圧縮強度が強い
コンクリートは上からの力に耐える、すなわち圧縮強度に優れています。だから、重い荷物を置いたり(静荷重)、フォークリフトの荷重(動荷重)に耐えることが出来ます。
②引き裂き強度は弱い
一方で、引き裂き強度(横から引っ張られる力)は弱いとされています。だから、コンクリート表面がひび割れることはよく知られています。
そこで、コンクリートのひび割れを防止するために鉄筋をいれて引き裂き強度を高めようとします。これはどこかでご覧になったことがあるでしょう。
③摩耗に弱い
人の歩行・車・フォークリフトの走行により表面が削れて摩耗し、やがてわだちが出来ます。
コンクリート床をポリッシャー研磨したときの画像。これは大げさにしてもこんな風にホコリが出るとしたら嫌ですよね。
④酸に弱い
コンクリートは強アルカリです。酸性の物質に触れると中性化して腐食が起こります。そして、腐食は内部まで進行します。
⑤動植物油脂にも弱い
動植物油脂も酸を出すので、上で述べたものと同じ腐食を示すようになります
下の画像は、カレー工場のコンクリート床の劣化状況です。コンクリートが浸食されて穴が多数見られます。
3.塗床材でコンクリートを劣化から守る
前で述べた項目に沿って記していきます。
①コンクリートは圧縮強度が高い
塗床材はエポキシ樹脂の厚膜になると、さらに、圧縮強度がコンクリートの約4倍になります。エポキシ樹脂系の防塵塗装(塗料タイプ)は薄いのでコンクリートの圧縮強度と同じとみなせるかと思います。
②引き裂き強度が弱い
これはひび割れ(クラック)が出やすいということです。いわばコンクリートはクラックの発生は当たり前のレベルです。
そこで鉄筋を入れたり、5mピッチ程度でコンクリートに伸縮目地を入れて建物(コンクリート)の収縮をそこで吸収させようとします。
コンクリートは室温の上下により、膨張・収縮をくりかえします。また、地震の際にもコンクリートが動きます。
塗床を塗ることで、伸縮目地部分の補強にもなりますし、その他の部分に発生した小さなクラック程度であれば表に出ないで済むこともあります。
③コンクリートは摩耗に弱い
重さ・速度・頻度などにもよりますが、タイヤとの接触によりコンクリートが摩耗します。
倉庫・工場などでフォークリフトで頻繁に運搬が行われた場合、早期に摩耗が見られます。摩耗すると削れて凹みが出来るだけでなく、削れた分のコンクリートから発塵(ホコリが発生)が出ます。
また、伸縮目地の両サイドの欠けも見られるようになり、フォークリフトの走行に支障を来すようになります。
エポキシ樹脂塗床材は、コンクリートの4倍の摩耗しずらさを持っているので、摩耗から保護してコンクリートの寿命を延ばします。
④と⑤酸や動植物油脂に弱い
④と⑤は結局酸によるコンクリート表面の浸食・腐食なので、同じメカニズムです。
酸や動植物油脂に接触した部分のコンクリートが中性化し、浸食・腐食が進みます。放置すると砂利が頭を出すまでになります。
工場・倉庫でも廃棄物置場などはこのレベルまで腐食が進んだ現場を見かけることがあります。
エポキシ樹脂塗床材は、耐薬品性(耐酸性も含む)を有しているので酸性の物質と接触しても腐食しないので、コンクリートを腐食から保護することが出来るのです。
4.その他の塗床施工のメリットとは?
①清掃性の向上
コンクリートのままだと、液体をこぼした場合など中に浸み込んで洗浄しても除去が出来なくなりますが、塗床を施工することで浸み込みを防止出来ます。
②カラーゾーニングが可能になる
作業目的に合わせて塗床材で色分けが可能になりますので、作業員の方がわかりやすくなったり衛生管理に役立てたり、倉庫であれば製品ごとの仕分けの効率を上げることが出来ます。
③滑り止め施工が可能
作業用との変更や、水を使用することになった場合は塗床が滑るといったことも考えられます。
その際は、エポキシ樹脂塗床の上に滑り止めの塗床をさらに施工することが出来ます。
滑り止めの塗床は滑り抵抗をあげるので、かなり滑りにくくすることが出来ます。※ただし、滑り止めにすることで多少汚れやすくなりますのでご注意ください。
動画を用意しましたのでご参考にしていただければ幸いです。
ラーメン店の厨房コンクリート床腐食
改修工事編
老舗和菓子屋工場塗床改修工事編
倉庫の塗床現状復旧工事編
施工内容 | 倉庫・工場の塗床工事 |
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建築形態 | 倉庫・工場 |
施工地域 | 関東一円に山梨、長野県 |
工期 | 1~2日間 |
施主 | 倉庫・工場施主様 |
お問合せの種類 | 弊社WEBサイトより |
担当者 | 永井健司(ながいけんじ) |
担当者からのコメント | 倉庫や工場のコンクリートは、一見強そうですが、 弱いんです。例えば、すり減り・欠け・腐食・ひび割れ(クラック)など。塗床材を塗ることで解決できます。 |
担当者写真 |
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