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【工場のコンクリート床のクラックにUカット+シールはダメ!】
1.工場の床コンクリートのクラック(ひび割れ)が動くことを知る
工場のコンクリート床には、必ずと言っていいほどクラック(ひび割れ)が発生します。
伸縮目地を作ってクラックを低減させようとしても、そのほかの部位にクラックを生じることがあります。
建物は気温の変化や地震その他で絶えず動いています。したがって一旦発生したクラックにはひび割れていないところよりも動きが集中します。
これは、その部分が弱くなっているので、そうなります。
これはキリトリ線の刻まれた紙を手で左右に引っ張ると、キリトリ線のところで切れることを考えれば理解が行きます。
2.クラックの誤った処理方法
最初に、本記事は工場の塗床工事の施工に際してのクラックの処理方法について述べています。長尺シートやカーペットタイルなどの内装仕上げ材を張る場合には適用出来ませんので、ご理解下さい。
工場の塗床を施工する前段階として改修工事の場合は既設の仕上げがあれば剥がし取ったり、研磨等の下地処理をします。
新築工事の際も、コンクリート床表面をポリッシャー研磨してから塗床材を施工することとなります。その際にコンクリートにクラックが発生していることがあると思います。
コンクリートのひび割れ(クラック)画像
ありがちな誤りは、このようなクラックにシール材を充填することです。
外壁などに塗装する柔らかく下地コンクリートが動いてもソフトに追従する塗装材などを施工する際は、クラックにシール材を充填して下から上まで動くもので仕上げるのが定番、常識です。
でも、工場の床の場合は強度が求められるので、硬い塗床材を施工するので、シール材を充填することは逆効果を生みます。
あくまでも、クラックにはエポキシ樹脂を充填して左右をがっちり接着・補強して動きを封じた方が良い結果を得ています。
仮に知らずに柔らかいシール材を施工した場合は、積極的に動きますのでシールの上に塗床塗膜の破断(切れること)や浮きが生じることになります。
工場がクリンルームだったりした場合には特に困ったことになります。そこからホコリが生じるからです。
従って、クラックにはエポキシ樹脂注入がお勧めです。
エポキシ樹脂をクラックに注入した画像です
クラックのお話をしましたが、伸縮目地柱と柱の間などで見られる縦横のカッター目地等も例外でなくエポキシ樹脂で充填した方が良い結果を得られます。
これは塗床工事を専門に施工している、「光コーティング」でクラックの補修に呼ばれるときに直面する例なので机上の空論ではなくて真実というか結果です。
下の画像は、車のラッピング工場(特殊フィルムを車に張り付けて色を変える・絵を描くなどの工場)を施工したときのものです。
柔らかいシール材が入っていたので撤去し、エポキシ樹脂注入しています。左右を接着し、補強することで口が開かないようにガッチリ接着しているところです。ここに、柔らかいシーリング材でシールしたりモルタル補修する業者はたくさん存在します。持たないのを知っていてそうしているのではなく、知識がないからそうなっています。ちょっと悲しいです。今現在もこういった工事が行われているんです。
塗床材の性能を活かすのは、見えている上側でなく見えなくなる、下の部分でどんな工程を施工しているかです。
3.まとめ
塗床専門の工事店はただキレイに塗床材を施工するのではなく、様々なコンクリートや補修材が施されている各々の工事現場であとあと、将来予測される、ひび割れや密着不良などを予測して対策を打つことも考慮した工事をしています。
お客様には伝わらないことが多いのですが、塗床専門工事店はそのような考えのもと施工しています。
だから、価格だけ安い業者に依頼すると失敗しやすいです。安い業者さんは見えないところに気配りすることなくどんどん数をこなしていることが多いです。
施工してエアコンを付けたり、既設が変わり建物に温度変化が起こるとコンクリートが伸縮して(暖かいと伸びて、寒いと縮まる)塗床塗膜に亀裂を生じるか、ミミズ腫れを生じて再工事となってしまいます。
見えている部分よりも見えない部分が大事なのです。だから(有)光コーティングでは外見よりも本質(心)の側を大切にする職人を育て続けています。
クラック処理の動画もありますので、参考になれば幸いです。
施工内容 | 工場の塗床(クラック補強)工事 |
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建築形態 | 工場 |
施工地域 | 東京都内 |
工期 | 3日間 |
施主 | 工場オーナー様 |
お問合せの種類 | 弊社WEBサイトより |
担当者 | 永井健司(ながいけんじ) |
担当者からのコメント | 同じブランドの塗床材を使用して施工しても耐久性の点で大きく違ってくるのはなぜでしょう。職人の技量や長持ちしてもらいたいという気持ちが入っているかどうかの違いです。同じ食材を使用しても、一流と言われるシェフとそうでないシェフがいるように加工する段階で全然違うものになるのを少しでも知ってほしくて発信しています。 |
担当者写真 |
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