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【埼玉県内のおせんべい工場床塗装塗り替え工事】
1.工場の抱える問題とは?
10年くらい前に他社で施工したMMA系塗床材がコンクリートから浮いて、剥がれが起きていました。
工場全体に施工したのですが、一部エリアのみ剥がれが進行しどうしてなのかわからずにお悩みを抱えておられました。
確かに、一部エリアのみ剥がれており他のエリアは健全性が確認されました。
HASSEP認定を取得するために床塗装材の剥がれを直したいとのことでした。
2.使い方を調査
塗床専門の工事店の眼で調査します。
全体に床塗装したのに、一部エリアだけが剥がれるには必ず原因があります。
調査してみると、水を使用出来るように側溝で囲まれているエリアでした。水を使用するところとしないところではまるで耐久性が変わってまいります。
さらに詳しく見ていくと、おせんべいの生産工程でお餅を蒸す機械の周辺に剥がれや浮きが集中していることが判明しました。
お持ちの蒸し器は年季の入った機械で少し熱水が垂れるか流れるかしているらしいことがわかりました。現在まで施工してあった床塗装材(塗床材ともいう)は少し前までは耐熱性と速乾性が売りの改修工事向け商品でしたが、耐久性の限界点を超えていました。
3.耐熱性を有する床塗装材の耐久性
10年くらい前に主流であったMMA樹脂系塗床材が現場に施工されていました。
これ自体は、時代を考えれば適材適所に使われていたことになります。
MMA樹脂系塗床材は、耐熱性がありますが、毎日毎日熱水がかかりますと傷んできます。10年という歳月は食品工場の稼働を考えればかなり床塗装材にとってはストレスになります。
人間でも熱水が手足にかかれば火傷します。床塗装材は石油から作られた塗料です。一種のプラスチックなのですプラスチックを熱すると変形しますよね。
耐熱性のある材料であっても何回も繰り返すと変形してきます。そしてコンクリートから浮き上がり、コンクリートと塗膜の間に空洞ができます。
熱水を受け止めるにも回数制限といったものがあるとご説明したらお判りいただけるかもしれません。
その空洞に歩行や台車の重みや衝撃が加わって割れが生じます。
割れたところから水や熱水が浸透して剥がれが広がってペコペコしてきます。ちょうどベニヤ板とコンクリートの間に空気が入って浮いているような感じともいえましょうか。
4.今回の改修工事で採用の耐熱性床塗装材は?
現在施工されている耐熱性床塗装より、進歩した材料が発売されています。
使用した材料はタフクリートMH。水性硬質ウレタンコンクリートと呼ばれる塗床材です。
施工は特殊技術を要しますので専門の工事店しか施工はできませんが、性能は格段の違いがあります。
耐熱水性は100℃~120℃で、滑り止め付き、すり減りや衝撃に強い材料です。
発売以来、コンビニのお弁当工場や空港の機内食工場、身近では日高屋さんとか丸亀製麺さんで標準に採用になっているようです。
とにかく長持ちするので、今まで熱水がかかるところはしょっちゅう剥がれ補修が必要だった床塗装もしばらく補修知らずになります。
5.まとめ
タフクリートMHは高性能な塗床材です。
これを採用すれば本当に選んでよかったと思うはずです。たとえ思わなくともしばらく床のことは頭から消えることと思います。剥離しにくいからです。
このような、高性能な塗床材(床塗装材)も性能が高くなればなるほど、性能を引き出す施工方法があります。
この材料の施工方法や下地処理の原理原則を守ってこそ性能が発揮されます。
この材料は見様見真似で施工すると剥離や施工不良(極端な凸凹)となって現れます。
ご注意ください。塗床は缶に入った状態では半製品なのです。施工して初めて100%の製品になります。50%は信頼できる工場で規格通りに生産されます。
あとの半分をよくするも悪くするも工事店で決まるのです。
下記はタフクリート動画です。ご参考にご覧ください。
施工内容 | お清兵衛工場床塗装塗り替え |
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建築形態 | 工場 |
施工地域 | 埼玉県 |
工期 | 2日間 |
施主 | おせんべい工場施主様 |
お問合せの種類 | 弊社WEBサイトより |
担当者 | 永井健司(ながいけんじ) |
担当者からのコメント | 今回はおせんべい工場様よりお仕事をいただくことができました、一現場こなすごとにより深まる工場の使い勝手への理解と職人の技量をあなたの現場にも生かせたらうれしいです。 |
担当者写真 |
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施工前の診断
お餅をふかす機械の周囲が剥離している。熱水がかかるところは茶褐色になることが多い |
台車を並べて置くエリアはグレーチングの枠金物との取り合いの剥離が多く発生する。 |
施工手順
手順①. 養生
手順②. 塗床材はがし
【光コーティングの解説】専門の剥がし機を使用して塗床塗膜を全撤去
手順③. 下地不陸修正
【光コーティングの解説】速硬化下地材60を使用して凹部を均します。この材料は60分で塗床施工が可能なモルタル用下地調整材です。
手順④. カッター
【光コーティングの解説】剥がれ防止のカッター切込み入れです。周囲と真ん中5mピッチでカッターを入れて剥がれにくくします。
手順⑤. タフクリートMHならし
【光コーティングの解説】材料を均一に配ります
手順⑥. タフクリートMH押さえ
【光コーティングの解説】金ゴテで均一な力で押さえて目を詰めていきます。
手順⑦. 完成
【光コーティングの解説】工事完成。あとは1日~2日養生をとります。
【光コーティングの解説】ビニールで壁・天井を作り覆います。